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どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語

読了。
正直言うと、将棋のことはそんなに詳しくなく、知っててルール程度。
そして棋士にも詳しくない。
そんな人間が読んだわけですが、生き方とか、その人が発している言葉の本として非常に興味深かった。

■気になった

・通算勝利が7割近いのにタイトル戦で1勝もしたことがない木村八段

・タイトル戦になると周辺の人が気遣ってくる。そんな中で木村さんは周囲に気を遣いすぎ萎縮してしまう。「俺にそれだけ尽くすのは当たり前だ」という自然な図太さもトッププロには必要なのかも知れない。

・「自分はいつか必ず名人になるという気持ちを、いつ何時も、まったくぶれずに持ち続けている、それが、木村くんです」

・「一般人とプロの差」「プロと超一流の差」では「プロと超一流の差」の方が大きい

・負けと知りつつ、目を覆うような手を指して頑張ることは結構辛く、抵抗がある。でも、その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちるかのように、転落していくんだろう。

・盤の前だけで将棋のことを考えるんじゃなくて、トイレに行っているときも、風呂入っているときも、とにかくいつも将棋のことを頭の中で考えていると、盤が頭に残る度合い、頭の中に盤が刻み込まれる度合いが違ってくるんでしょう。

・棋士を志した頃の絶対無二になれるヒーロー像をプロの間で揉まれて、なお持っていられるかどうか。

・原点にあるのは、目の前の難問をただただ考え抜いて解決したいといういちずな思いだけ。

■感想

将棋の譜面なども出てくるのですが、そのへんはほぼスルーしてましたw
(詳しく分からないので)

その代わりに、それぞれのプロの言葉・生き様を読み楽しむことが出来ました。
プロって傍から見ると淡々とやっているように見えて、そのバックグラウンドって見えにくい。

将棋の世界でいう羽生善治という超一流と、そこに挑む者たち、その感情、想いを垣間見ることが出来ます。

世界は違えど、仕事をプロとして取り組む以上誰しも壁にぶつかったり、苦悩したりするわけで。
そういう方を客観的に見て、もっと出来ることがあるんだな、とか、世の中にはもっと頑張ってる人がいるんだなと感じる。
そして挫けそうな一日を乗り越えることができる。

情熱大陸を読んでるような感じで面白かったです。


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