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明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法 (講談社現代新書)

・今の時代にどれくらい情報が溢れているのか、そのことにより、消費者にどれくらい情報が届かないのか?
・今の時代で検索や主要SNSを使っていない人がどれくらいいるのか。その人達にアプローチする方法は?

この二点を確認した本。改めて客観的に見てみるとすごく面白かった。

 

もくじ

はじめに「最近なんだか伝わっている手応えも実感もない」とお嘆きのあなたに

第一章 「情報の”砂の一粒”時代」がやってきた 「伝える仕事」に携わる人にとっての超アゲンスト
第二章 忘れちゃいけない!情報”砂の一粒”時代「以前」を生きる生活者たち 生活者を2つに切り分けてプランニングする
第三章 友人知人という最強メディア 砂一時代という超アゲンストに打ち勝つ方法
第四章 ファンベースとマスベース 砂一時代と砂一時代以前でプランニングを切り分ける
第五章 ファンにアプローチする3つの方法 砂一時代の生活者にどうリーチするか
第六章 ファンからオーガニックな言葉を引き出す7つの方法 砂一時代の生活者が態度変容するオーガニックリーチ
第七章 どんな課題でも70点以上取れるプランナーになるために 「基本的な構築」を一番大切にしよう

おしまいに ボクたちは幸せな時代に生きている

 

気になった

【砂一時代の生活者】
2010年の1年間で、世界中の砂浜の砂の数と同じ1ゼタバイトの情報が流れた

(SNSで)昨日シェアされてきた情報、RTされて回ってきた情報はほとんど覚えていない。そのくらい、情報を頭から消していく

総合的なプランニングなしにただ「いいコンテンツ」を作っても、まず見てもらえない。「覚えてもらう」なんてどのくらい不可能か、ちょっと考えればすぐわかる

 
【砂一時代以前の生活者】
ネットを毎日は利用しない人が約5670万人いる。おまけに検索をほとんど使っていない人も、日本にで6000〜7000万人くらいいそう(2014年・「ちょっと乱暴な推論」前提)
→参照:TOPS OF 2014: DIGITAL IN JAPAN ~ニールセン2014年 日本のインターネットサービス利用者数ランキングを発表~ | ニュースリリース | ニールセン株式会社

総務省「平成25年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると主なソーシャルメディア利用率は全体で57.1%。つまりソーシャルメディアを利用していない人は42.9%となる。

→国民の半分くらいが「砂一時代以前」の情報環境の生活者

→あなたが笑顔にしたい相手が「砂一時代の生活者」なのか「砂一時代以前の生活者」なのか。全く違うやり方をしなくてはいけない。

 
【検索について】
検索もここまで情報が多いとそんなに便利じゃない。「自分にぴったりの情報」を探すにはすでに不便といってもいい。

→鹿児島に行った際に「一人で入ってほっと出来るような居酒屋」を探す際に、検索は世間的に評価が高かったり人気があったりする居酒屋が上位に来る。でもそういう居酒屋にあなたがいきたいとは限らない。

→一番信頼できるのは「あなたと価値観や環境が近い友人知人」。その人はあなたの「文脈」を知っている。

 
【知人友人への共感】
競馬に興味関心がないA君は素敵なタレントを起用したCMを見ても全く心を動かされない。情報が多すぎて興味関心がない情報はスルーされる

A君の長い付き合いのある友人Z君がおすすめをするとA君の心が動く
→ただし競馬に共感したのではなくZ君という友人に共感した。RTやいいね!も商品ではなくその友人知人に共感している。
コンテンツは面白くても砂一時代の生活者には情報が多すぎて商品そのものに関心がわかない。
 (競馬の面白い動画がシェアされても「動画は面白いけど競馬はやらねーよw」となる)

 
【ファンに対しての対応】
笑っちゃうくらいな超アゲンスト状況でも、ファンは情報を喜んで受け取ってくれる。そういう人たちに伝えたい情報を丁寧に届ける。

「新規入会キャンペーン」はすでに長く入会してくれているファンを安全牌扱いして無視し、まだ使ってくれていない生活者に向けて割引などを訴える。砂一時代の生活者に伝えたいなら、長く愛用してくださっているファンこそを優遇する。

 

感想

2010年の段階で「世界中の砂浜の砂の数」の量の情報が流れたという事実にまず驚きました。
本書の中でも書かれているのですが、その中で情報を見てもらおうとして「砂の色を目立たせる」とかしても、世界中の砂浜の中でそんなことをやってももはや目立つ時代でもない。

それで、先日思ったのが保険ソクラテスの再バズの話。

そういえば、5月中旬にtogetter経由で再バズした「頭の悪い人向けの保険入門」もかなりPVに貢献してくれました。公開から1年以上も経っていただけに、はじめは何事かと思いましたが。
『保険ソクラテス』が月間100万PVを突破しました!

公開された際にも相当話題になっていたのにも関わらず1年越しに再バズ。

ただ、あれだけ話題になっていても砂一時代の情報量だと確実に伝わっていない層というのがいるということ。
なので1年越しに「新しく出来たコンテンツ」と表現するような人も出てくる。

これ、ヘタしたら来年とかもう一回「これ新しく見つけたけど面白いよ!」ってバズる可能性もあるんですよね。

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また自分がネットの世界にどっぷりと浸かってしまっているので世間一般でも「ネットは自分と同じように使っている人が多いものだ」と思ってしまいがち。でもそうではない層もたくさんいてその人達にアプローチする方法は従来の広告手法(TV・新聞など)が有効でもあるということなど改めて俯瞰できました。

自分の視点でしか世界って見られないものなのでこういった本で俯瞰しないと頭が固まっちゃう気がするなーと。